比較実験
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プロダクトの情報面への変更を切り分け、事前に定めた実験設計の下でエージェントの動作を比較します。
実験の前に、答えたい問いを選ぶ
ドキュメントやツールの説明を変えることで、エージェントがプロダクトを選びやすく、正しく使いやすくなるかを比較します。まず確認したいことを決め、その問いに関わる部分だけを変更します。
| 実験設計 | 答えられる問い |
|---|---|
| 候補を提示しない評価(別の実験設計) | モデルは自力でどのプロバイダーを挙げるか? 現行のPromptCaseの発見用プロンプトは、候補一覧を与えずにプロバイダーを挙げさせることができます。測定するのはモデルが挙げた候補であり、ウェブからの取得を示すものではありません。検索を伴う評価には、別途設定した取得経路とその実行証拠が必要です。 |
| 固定候補での比較 | 指定した代替候補の中から、エージェントはどのプロバイダーを選ぶか? |
| ペア化したメタデータA/B | 同じ候補環境の中で、指定した説明文の変更が動作にどう影響するか? |
これらの設計は、それぞれ異なる問いに答えます。説明文の実験は、与える情報を統制して判断への影響を調べます。発見の評価は、定義した取得条件の下で対象が現れるかを調べます。固定候補内での改善量は、自然発見の結果ではありません。
評価の目的に合う分析方法を選ぶ
Floviaでは、タスクの失敗を診断する場合、説明文の変更をファネル全体で比較する場合、プロバイダー選択の改善量を推定する場合で、分析方法が異なります。結果から何を判断したいかに合わせて選びます。
| 評価 | 比較・確認するもの | 結果のまとめ方 |
|---|---|---|
| PromptCaseファネル | タスクごとのエージェントの判断と、定義した条件の検証結果 | 段階別の率と条件付き遷移率。対応する率指標では、プロンプト単位のクラスターブートストラップで区間を推定 |
| PromptCaseメタデータA/B | 対応付けた変更前後の実行をファネル全体で比較。候補のローテーションは実験設計に従う | 段階別の差、欠測、改善・悪化したペア。候補順序ごとの結果は等しい重みで統合 |
| 選択率の改善量を測る実験 | 変更前後のメタデータによるプロバイダー選択 | 条件を満たす完全なペアを使用。実験で定めた目的または言い換えグループ単位の重み付けと、ペアのクラスターブートストラップによる区間推定 |
ファネルA/Bの集計と、選択率の改善量の推定は別の分析です。確認実験では、記録されたサンプルサイズの決定根拠と証拠の確認も必要です。評価範囲を決める際に、分析方法、候補のローテーション、区間推定の方法、確認実験の要件を合意します。
ベースラインと変更版をペアにする
メタデータA/Bでは、ベースラインと変更版で、タスク、要求するモデル、反復、候補順序、介入対象外の入力を共有します。変更するのは、計画で指定した対象フィールドだけです。実験によって、Discoveryの説明、Invocationの説明、またはその両方を変更対象にします。
共通条件:タスク × モデル × 反復 × 候補順序 × 実行経路
ベースライン:元の対象説明文
変更版:修正した対象説明文
固定するもの:競合メタデータ、ツールスキーマ、fixture、採点規則
比較するもの:選択、呼び出し、完了、失敗した段階DiscoveryとInvocationの説明を同時に変更した場合、その結果は両方を合わせた介入の効果を測定します。差をどちらか一方の説明に帰属させるには、その説明だけを変える設計が必要です。
候補の表示位置による影響を統制する
候補の順序は実験要因の一つです。対応するメタデータ実験では、循環ラテン方格によるローテーションを使い、各プロバイダーが各候補位置に現れるようにします。同じ順序の中でベースラインと変更版をペアにし、集計では各ラテン順序に等しい重みを与えて統合できます。
ペアリングは周辺のシナリオ条件を固定し、ローテーションは対象が現れる位置を均衡化します。この二つを組み合わせることで、代替候補の見せ方にエージェントが影響を受ける場合でも、説明変更の比較を解釈しやすくします。
| ローテーション | 位置1 | 位置2 | 位置3 |
|---|---|---|---|
| A | 対象 | 代替候補1 | 代替候補2 |
| B | 代替候補1 | 代替候補2 | 対象 |
| C | 代替候補2 | 対象 | 代替候補1 |
この例は候補位置の均衡化を説明するもので、顧客の実験結果ではありません。実行順序や、ベースラインと変更版のどちらを先に実行するかの均衡化は、選択した実験計画に従い、すべての評価で行うわけではありません。
比較結果を、検証した範囲で解釈する
ペア差は、指定したタスク、モデル、候補環境、測定期間において、ベースラインと変更版で動作がどう変わったかを推定します。ペアの充足状況、欠測、モデル別の結果、実際に使った推定方法と併せて読みます。
記述的なファネルA/Bの結果だけでは、統計的有意性や一般的な因果効果は示せません。確認実験には、事前に定めた証拠要件と適格性要件があります。本番環境での影響を主張するには、統制したシミュレーション比較を超える証拠が必要です。